毎年12月になるとインフルエンザ予防接種を打つ、打たないといったことが話題にあがり、
といった予防接種の効果に疑問を呈するような言葉が飛び交います。
予防接種には本当に効果がないのでしょうか?
これから
と解説していきたいと思います。
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予防接種(ワクチン)は効果がある
厚生労働省はインフルエンザワクチンの効果について調査・実験を行っており、そこでは明確にワクチンの効果が認められています。「労働省のホームページ」によると、2015-2016シーズンにおいて6歳未満の子供を対象とした調査では、
ワクチンを接種しなかった人がインフルエンザを発病した割合は30%
ワクチンを接種した人がインフルエンザを発病した割合は12%
であり、ワクチンによってインフルエンザの発病率を60%減少させていることがわかりました。
残念ながらワクチンを打ったからと言って発病率が0%になるわけではありませんが、ワクチンには感染症を防ぐ以外にも効果があります。
それは感染した場合の重症化とインフルエンザ脳炎などの合併症の発症を防ぐ効果です。
合併症とは...ある病気になった時にそれが原因でほかの病気も発症してしまうこと |
これもワクチンの大きな役割で、実際、ワクチンを打った人はワクチンを打っていない人に比べて
症状が軽い
治るのが早い
と言われています。
このように、ワクチンには、
- 感染症にかかる確率を下げる
- 感染したとしても重症化と合併症の発症を防ぐ
働きがあるので、ワクチンは必ず打つようにしましょう。
一度かかったらもう打たなくていいの?
その年に一度インフルエンザになっていたとしても予防接種はするべきです。
ワクチンには複数の病原体が含まれています。
インフルエンザの場合、A型、B型など数種類のウイルスがあるため1シーズンの間に2回感染するということも珍しくありません。そのため、
ということにはなりません。
ワクチンに含まれる無害化されたインフルエンザウイルスは「インフルエンザワクチン株」と呼ばれ、通常4種類のインフルエンザワクチン株が含まれます。
毎年、「国立感染症研究所」がその年に流行るインフルエンザを予測し、その株のインフルエンザワクチンが作られます。
そのため毎年ワクチンに含まれる株は変わっており、今年(2018-2019シーズン)の場合は、
A/シンガポール/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
A/シンガポール/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)(H3N2
B型株
B/プーケット/3073/2013(山形系統)
B/メリーランド/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統)
の4種類がインフルエンザワクチンに含まれています。
このようにインフルエンザワクチンは、
「1度感染したから」
「去年打ったから」
といって打たなくてよいものではなく、感染を防ぐためには毎年打つ必要があります。
2回打ったほうがいいの?
インフルエンザワクチンは、基本的に、
生後6か月以上3歳未満は0.25mlの注射を2回
3歳以上13歳未満は0.5mlを2回
13歳以上は0.5mlを1回
と定められています。
しかし、13歳以上の方が2回接種してはいけないということではなく、希望すれば2回接種することができます。
予防接種の効果は
1回では64%
2回では94%
という実験結果があり、13歳以上の方でも2回打つことの有効性が認められています。
妊娠されている方や受験生の方など、絶対にインフルエンザにかかりたくないというかたは2回予防接種をすることをおすすめします。
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むこうがおかクリニック
副作用は?
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであるため、副作用は少ないです。
不活化ワクチンとは・・・ワクチンに含まれる病原体が完全に死亡しているもの |
厚生労働省ウェブサイト「インフルエンザQ&A」によると、
接種した方の10~20%が、接種した場所の赤み、腫れ、痛み
接種した方の5~10%が、発熱、頭痛、寒気、だるさ
で起こるが、どちらも2、3日で治るそうです。
まとめ
今回はインフルエンザ予防接種について解説しました。
まとめると、
- 予防接種は効果ある
- 一度かかっても打ったほうがいい
- 2回打ったほうが確実
ということになります。
しっかり予防接種を打ってインフルエンザに罹らないようにしましょう。