病原体は私たちが気づかないうちにいろいろな経路で私たちの体に入ってきます。この経路を「感染経路」と言います。感染経路には次のような種類があります。
これから、
のそれぞれについて感染経路の仕組みとそれによって感染する感染症を解説していきます。
それぞれの感染経路の予防方法については以下の記事をご覧ください。
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感染症の予防方法を徹底解説します
この記事では、大事な時期に病気にかかりたくないという方のために感染症全般の予防方法を解説していきます。 感染症は細菌やウ ...
空気感染
空気感染とは、空気中を浮いている病原体を吸い込んでしまうことによって感染してしまうことです。
感染症の人の咳やくしゃみ、会話などで病原体を含む蒸気が空気中に放出され、水分が蒸発し、病原体が拡散します。
空気感染する感染症は次のものがあります。
・麻疹
・水痘
飛沫感染
飛沫感染とは、感染している人の咳やくしゃみ、会話で飛び出した病原体が直接粘膜に付着し、感染することです。咳やくしゃみをすると1~2メートルほど病原体が飛ぶといわれています。
飛沫感染する感染症は次のようなものがあります。
・風疹
・流行性耳下腺炎
・百日咳
・喉頭ジフテリア
・髄膜炎菌肺炎
・マイコプラズマ肺炎
接触感染
接触感染とは、感染した人に接触したり、感染した人が触れたものに接触したりすることにより感染してしまうことです。
電車のつり革や階段の手すりなどは不特定多数の人が触れる場所ですので様々な細菌やウイルスがついています。
接触感染する感染症は次のようなものがあります。
・咽頭結膜熱(プール熱)
・流行性角結膜炎
・梅毒
・淋病
・その他多くの性病
経口感染
経口感染は、病原体を含んだ飲食物や、病原体で汚染された手などで触れた飲食物を飲んだり食べたりして感染することです。
経口感染する感染症は次のようなものがあります。
・ロタウイルス感染症
・O-157
母子感染
母子感染はこれまで解説してきた感染経路とは少し違います。これまで紹介した感染経路を「水平感染」と呼ばれるのに対し、母子感染は「垂直感染」と呼ばれます。
母子感染は、女性が妊娠したときに、病原体が母親から赤ちゃんへうつってしまうことです。赤ちゃんがまだお腹にいるときや、出産時に産道を通った時、また母乳を上げるときに感染する場合があります。
母子感染する感染症は次のようなものがあります。
・AIDS
・梅毒
・単純ヘルペスウイルス
・水痘
・サイトメガロウイルス
・先天性風疹症候群
・トキソプラズマ症
国立感染症研究所
性感染
性感染は主に性病の感染経路です。性感染は性行為だけでなく、性感染症を持った人の粘膜や唾液などの体液が自分の粘膜に触れるだけで感染する可能性があります。
性感染する感染症は次のようなものがあります。
・カンジダ症
・淋菌・淋病
・クラミジア
・梅毒
・性器ヘルペス
・尖圭コンジローマ
昆虫媒介感染
昆虫媒介感染とは、その名の通り昆虫が病原体を人間の体にうつして感染することです。蚊やダニなどの昆虫が感染した人を刺したときに病原体を受け取る、または昆虫自体が感染して、ほかの人を刺したときに病原体を移します。
日本では昆虫媒介感染で広がる感染症は少ないですが、海外で感染症を運ぶ昆虫と同じ種類の昆虫が日本にもいます。ですから、もし海外の感染症が日本に入ってきた場合はかなり注意が必要な感染経路となるでしょう。
昆虫媒介感染する感染症には次のようなものがあります。
・デング熱
・マラリア
・ウエストナイル熱
・黄熱
・高病原性鳥インフルエンザ
・ペスト
・発症チフス
・野兎病(やとびょう)
・サルモネラ中毒