高校受験や大学受験、国家試験など人生の分岐点となるものは万全の体調で臨みたいものです。しかし、そういった試験などは2月や3月など、インフルエンザなどが流行する時期にありますよね。
この記事では人生の重要な場面を健康な状態で向かるために、受験生のインフルエンザ・風邪対策について解説しています。
とくに、
について説明しているのでぜひ参考にしてください。
インフルエンザの疑いがある方はインフルエンザの検査・診断書のもらい方についてこちらの記事もご覧ください。
インフルエンザ予防接種は必ず打ったほうがいいの?
結論から言うと、
インフルエンザ予防接種は必ず打ちましょう。
また受験生は2回打つことを強くお勧めします。
まずは予防接種を打つべき理由を解説します。(予防接種の回数についてはこの後解説します。)
厚生労働省はワクチンの効果について調査・実験を行っており、そこでは明確にワクチンの効果が認められています。インフルエンザワクチンについては「厚生労働省のホームページ」によると、2015-2016シーズンにおいて6歳未満の子供を対象とした調査では、
ワクチンを接種しなかった人がインフルエンザを発病した割合は30%
ワクチンを接種した人がインフルエンザを発病した割合は12%
であり、ワクチンによってインフルエンザの発病率を60%減少させていることがわかりました。
残念ながらワクチンを打ったからと言って発病率が0%になるわけではありませんが、ワクチンには感染症を防ぐ以外にも効果があります。
それは感染した場合の重症化と肺炎などの合併症の発症を防ぐ効果です。
合併症とは
ある病気になった時にそれが原因でほかの病気も発症してしまうことです。
これもワクチンの大きな役割で、実際、ワクチンを打った人はワクチンを打っていない人に比べて
症状が軽かったり、治るのが早かったりします。
このように、ワクチンには、
- 感染症にかかる確率を下げる
- 感染したとしても重症化と合併症の発症を防ぐ
働きがあるので、ワクチンは必ず打つようにしましょう。
そこで、ここからは、
を解説していきます。
ワクチンについてのより詳しい解説は「感染症の感染経路と予防方法・ワクチン(予防接種)を徹底解説します」で解説しているのでぜひそちらもお読みください。 この記事では、大事な時期に病気にかかりたくないという方のために感染症全般の予防方法を解説していきます。 感染症は細菌やウ ...
感染症の予防方法を徹底解説します
予防接種はいつ打てばいいの?
ワクチンは接種してからおよそ2週間後から効果が出始め、およそ5か月間効果が持続します。インフルエンザの流行時期は毎年12月~翌年3月ころまでなので11月中旬頃に接種すれば流行時期を完全にカバーすることができます。
予防接種は2回打つべき?
インフルエンザワクチンは、基本的に、
生後6か月未満は接種不可 生後6か月以上3歳未満は0.25mlの注射を2回 3歳以上13歳未満は0.5mlを2回 13歳以上は0.5mlを1回 |
と定められています。
しかし、13歳以上の方が2回接種してはいけないということではなく、希望すれば2回接種することができます。
予防接種の効果は
1回では60%以上
2回では90%以上
という実験結果があり、大人の場合も2回打つことの有効性が認められています。
受験生の方々は2回打つべきと言えるでしょう。
むこうがおかクリニック
予防接種でインフルエンザにかかることはないの?
インフルエンザの予防接種(ワクチン)は不活化ワクチンと呼ばれ、インフルエンザウイルスの有害性を完全になくしたものが含まれているため、予防接種でインフルエンザに感染することはありません。
予防接種の分類と効果はこちらの記事をご覧ください。 この記事では、大事な時期に病気にかかりたくないという方のために感染症全般の予防方法を解説していきます。 感染症は細菌やウ ...
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風邪・インフルエンザの予防方法は?
インフルエンザの予防接種は、絶対にインフルエンザにならないと保証してくれるものではありません。
また受験生はインフルエンザだけでなく、風邪もひきたくないですよね。
ですから普段からインフルエンザや風邪のウイルスを取り込まないように予防しておきましょう。
家族全員が予防接種を受ける
予防接種は、「インフルエンザ予防接種は必ず打ったほうがいいの?」でも解説した通り、100%インフルエンザ予防いでくれるわけではありません。まして、家族がインフルエンザに感染した場合は、受験生も感染してしまう確率が高くなってしまいます。ですから、受験生がいる家庭は、家族全員でインフルエンザワクチンを接種するようにしましょう。
手洗い・うがい
日常生活でできる感染症予防の中で最も効果があるといわれているのが手洗い・うがいです。
まず手洗い・うがいをするタイミングですが
- 食事の前
- トイレの後
- 掃除の後
- 学校や職場に到着した時
- 外出から帰宅した時
にしましょう。
特にトイレの後や外出から帰ってきた後は、手を洗うまでなるべくドアや壁などに触れないほうがいいでしょう。
次に正しい手の洗い方を解説していきます。
- まず指輪、時計などをはずし、流水で手を流します。
- その後石鹸をつけ、しっかりと泡立てます。
- 手のひら、手の甲をしっかりこすります。
- 手を組むようにして指の間をこすり、親指は反対の手で包んでこすります。
- 指先と爪も反対の手のひらでこすりましょう。
- 手首を反対の手でこすります。
- 20秒ほどかけて流水で十分石鹸を洗い落とします。
- 乾燥した清潔なタオルで水気をしっかり拭き取ります。
- 最後に消毒液を両手でこすり、自然乾燥するのを待ちます。
手を洗う時のポイント!
・指先やつめ、手首は忘れがちですがしっかり洗いましょう。
・石鹸を付けるだけでなくしっかりこすることで細菌やウイルスを落とすことができます。
・外出先で手を洗う時は、取手は沢山の人が触れているのでなるべく自動の洗面台で手を洗いましょう。
・アルコール消毒は多くの感染症予防に有効ですが、ノロウイルスには効果がありません。
次に正しいうがい仕方について解説していきます。
うがいはうがい薬を使って行いましょう。
- うがい薬をコップに入れます。
- コップに水を加えてうがい薬を薄めます。
- 薄めたうがい薬を口に含み、”グチュグチュ”と口の中をゆすいで吐き出します。
- 薄めたうがい薬を口に含み、10~15秒”ガラガラ”うがいをして吐き出します。これを2~3回繰り返します。
うがいする時のポイント!
・うがい薬を使わないときは回数を増やしてうがいしましょう。
・うがいに使うコップはこまめに洗いましょう。紙コップなど、使い捨てのコップで行うことが望ましいです。
正しい手洗い方法で習慣づけを|キレイキレイ|ライオン
マスクを着用する
風邪やインフルエンザの最も多い感染経路は飛沫感染と接触感染です。
(感染経路についての詳しい記事はこちら)
飛沫感染は風邪やインフルエンザのウイルスをもった人の咳やくしゃみでウイルスが粘膜についてしまい、感染することです。マスクをすることでウイルスが口に入るのをある程度防ぐことはできますが、ウイルスがマスクを繊維の隙間を通り過ぎてしまう場合や、目の粘膜にウイルスが付着してしまう場合があります。
ですから重要なことはすでに風邪やインフルエンザにかかっている方がマスクをすることです。これによって風邪やインフルエンザのウイルスが外に放出されなくなり、感染の拡大を防ぐことができます。
できるだけ人込みにはいらない
たくさんの人が集まる場所にはたくさんの病原体も集まります。感染症にかかっていても気づいていない人や気づいているのにマスクなどをしていない人が多くいるので人が多いとこほど感染症にかかるリスクが高くなります。
受験が控えている時期にはなるべく人込みには近づかないようにしましょう。
部屋の温度・湿度を保つ
風邪やインフルエンザなど細菌やウイルスの中には湿度に弱いものが多いです。また、人間の喉は乾燥すると粘膜の免疫力が落ちてしまいます。インフルエンザが流行る冬は特に空気が乾燥しやすいので加湿器などを使って湿度を50%~60%に保ちましょう。
ドアノブをこまめに消毒する
家の中や学校のドアノブは多くの人が触れる場所です。受験生の親御さんや学校の先生方はそういった場所をこまめに消毒するようにしましょう。
手すりやつり革などには触れない
手すりや電車のつり革など不特定多数の人が触れる場所にはたくさんの病原体がついています。このような場所にはできるだけ触らないようにする、触ってしまった場合にはよく手を洗うことを心がけましょう。
栄養バランスのとれた食事をする
体の栄養状態によって体の免疫力は上がることもあれば下がることもあります。栄養バランスの取れた食事をすることは免疫力を上げ、感染症になるのを防いでくれます。
1日にとるべき栄養量の目安は国で決められています。農林水産省の「食事のバランスガイド」を参照してみてください。
現在、食生活が乱れているという方は、
- 毎日同じ時間に3食食べる
- 主食、主菜、副菜を意識する
ということから意識してみましょう。これだけでも栄養バランスが改善するはずです。
適度な運動と十分な睡眠をとる
運動不足は免疫力の低下につながります。週2回2時間ほどの運動が理想的ですが、運動する時間がないという方は普段エレベーターを使っているところを階段で登ってみることも効果はあります。
寝不足も免疫力を低下させる大きな要因となります。夜勤などで昼夜逆転しているのも健康にはよくありません。1日6時間睡眠が理想です。
インフルエンザかな?と思った時にすべきこととは?
たとえ予防をしていたとしても体調を崩してしまうことはあります。そんなとき、風邪かインフルエンザか、またほかの病気なのか、見分けることは難しいですよね。
インフルエンザと風邪は次のような症状があります。
風邪 | インフルエンザ |
・ゆっくりと症状がでてくる ・37度~38度の微熱 ・鼻づまり、鼻水 ・痰や咳、のどの痛み |
・急激に症状が出る ・38度以上の高熱 ・悪寒 ・頭痛 ・全身の倦怠感 ・鼻水や咳 ・腹痛 |
しかし、このような違いがあっても一般人が風邪かインフルエンザを見分けることは簡単ではありません。
インフルエンザかな?と少しでも思ったら病院へ行きましょう。
インフルエンザの検査・診断書のもらい方については以下の記事をご覧ください。 毎年12月ごろから、体調を崩すと、 「もしかしたらインフルエンザかも?」 と不安になりますよね。 しかし、インフルエンザ ...
インフルエンザの検査を受けるタイミングについて徹底解説します
ここからは病院へ行き、風邪かインフルエンザか診断してもらった後、
を解説していきます。
omron「風邪とインフルエンザはどう違う?」
風邪をひいてしまったときは
風邪の場合には病院に行かない方も多いですが、たとえ風邪でも受験期にはなるべく早く病気を治したいものです。病院へ行って風邪薬を処方してもらいましょう。
風邪を早く治すには次のことが効果があります。
- 十分な睡眠をとる
- 体をあたためる
- 水分を多めにとる
- 栄養のある食事をとる
- 処方された薬を飲む
- 葛根湯をのむ
- うがい手洗いをしっかりする
風邪を早く治すのにもっとも重要なことが睡眠です。風邪をひいてしまったときはいつもより勉強や仕事をする時間を減らし、十分な睡眠時間を確保しましょう。
湯船につかる、温かいスープなどを飲むなどして体をあたためましょう。体をあたためることによって体の免疫力がアップし、風邪を撃退することができます。風邪をひいたとき、熱が出るのはウイルスをやっつけるためなのです。
風邪をひいたときは脱水症状を起こさないためにしっかり水分補給をしましょう。そして水分をとると代謝が良くなり、発汗するので上がった熱を下げることができます。
風邪を早く治すためには免疫機能を活性化させるビタミンC、粘膜を免疫を強めるビタミンAが有効です。また体温を上げる効果のあるしょうがも良いでしょう。
風邪薬は市販薬もあるので病院へ行かなくても買えますが、病院で医師に診断してもらうことで、自分の症状にあった薬を処方してもらうことができます。
ただし、解熱剤や鼻水を止める薬などは症状を一時的に抑えるだけで風邪を根本的に治す働きはない薬は継続的に飲む必要はなく、どうしても症状を抑えたいときにだけ飲むようにしましょう。
葛根湯とは頭痛や肩こりに効く漢方ですが風邪にも効果があるとされています。葛根湯は発汗を促し、体の免疫力を上げ、風邪を治す薬です。風邪の引き初めに飲むことで悪化を防ぎ、すぐに治すことができます。
うがいや手洗いは風邪の予防として有効ですが風邪をひいてしまってからも大切なことです。風邪をひいているときは免疫力が下がっており、他の感染症にかかってしまう可能性も高いです。そのため、うがい手洗いをして病原菌を寄せ付けないことが大切です。
インフルエンザにかかってしまったときは
インフルエンザになってしまったときは絶対安静が大切です。仕事や勉強はいったんやめ、しっかりと休養を取りましょう。
インフルエンザの早く治すには次のことが効果があります。
- しっかりと睡眠をとる
- 処方された薬を規則的に飲む
- 高熱が出たときは入浴を控える
- 部屋の温度と湿度を保つ
- 水分をしっかり補給する
インフルエンザを早く治すには睡眠をとることが最も重要です。十分な睡眠時間を確保しましょう。
病院でインフルエンザと診断されるとタミフルなどの薬を処方されます。病院で医師に言われた時間と薬の量を守って服用しましょう。
お風呂に入ることは実はかなり体力を消耗します。お風呂に入って体をキレイにすることは大事ですが38度を超える高熱の時はめまいや脱水症状を起こすことがあるのでお風呂は控えましょう。インフルエンザの場合は1~2日で熱が下がるので、下がってから体を流しましょう。
インフルエンザウイルスは熱と高温に弱く、およそ20~30度、湿度が50~60%でウイルスは死滅するといわれています。
インフルエンザにかかったときは体が熱を下げようと汗をたくさんかくため、脱水症状になりやすくなっています。脱水症状になるとインフルエンザが悪化したり、治るのが遅くなってしまいます。脱水症状にならないためにしっかりと水分補給しましょう。また、汗をかくと水分だけでなく塩分や糖分も失われるため、ただの水ではなくスポーツドリンクや経口補水液を飲むのが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
せっかく受験に向けて勉強してきたとしても、インフルエンザにかかっては台無しです。今回こちらの記事で紹介したように、予防接種は必ず打ち、インフルエンザを予防しましょう。