>夜間に咳が止まらなくなったり息苦しくなったことはありませんか?
実はそれは気管支喘息かもしれません。
いやいや喘息は子供の病気でしょ?と思われがちですが、実は大人の発症数も多いです。
そこでこの記事では気管支喘息について、
- 大人も発症する
- 症状、原因
- 気管支喘息になりやすい人の特徴
- 治療法
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を大人の喘息と子供の喘息との違いを比較しながら詳しく解説します。
また後で解説しますが、気管支喘息は気道の炎症によって発病します。この炎症原因が大人と子どもで違うのです。
大人も気管支喘息に?喘息って子供の病気じゃないの?
気管支喘息は大人と子供どっちの病気ですか?
と聞かれたらどう答えますか?
おそらく大多数の人が子供と答えるはずです。さらには大人は気管支喘息になりにくい、あるいはならないとさえ思ってる人もいるでしょう。
しかし実際は原因がちがうだけで大人も気管支喘息になります。この項目では、
・気管支喘息が大人にも多いこと
・気管支喘息の発症率
を厚生労働省の調査をもとに解説します。
気管支喘息は実は大人の発症率も高い
平成16~18年度の厚生労働省の調査によると、20~44歳の成人の気管支喘息期間有症率は9.4%で、気管支喘息有病率が5.4%ということがわかります。
約20人に1人が喘息を持っているということですね。
こうしてみると、実は結構多くの大人が喘息にかかっていることがわかります。
成人喘息の発症率は?
これも先ほどの厚生労働省の調査によると、成人喘息の発症率のうち、成人になって初めて発病したという人の割合は約70%です。
つまり、成人喘息は小児喘息になっていたかどうかはあまり関係なく発病します。
もはや喘息が子供だけの病気とは言えないのではないです。
大人と子どもの気管支喘息の原因・特徴の違いとは?
気管支喘息は気道の炎症の慢性化が原因です。
気道が炎症を繰り返すと徐々に気道の壁部が腫れあがり、気管が縮小します。
この炎症の原因が大人と子供で大きく異なっているのです。
それでは大人と子どもの気管支喘息の症状・原因の違いを解説します。
大人の気管支喘息の症状・原因は?
大人の気管支喘息の原因は主にストレスやたばこです。ストレスを感じた時に炎症を引き起こす化学物質が分泌され、気管が腫れることがあります。これが慢性的になると気管支喘息になります。
また、小児喘息が再発するというパターンも成人喘息の原因の一つにあります。
大人の気管支喘息はストレスやこれらの要因に触れたときに喘息の症状が現れることが多いです。また、後に解説する子どもの喘息と違って成人喘息は慢性化してしまうので自然に治る可能性がかなり低いです。
子どもの喘息の症状・原因は?
子どもの気管支喘息の原因は主にアレルギーです。ダニなどのアレルゲンが気管に入ると、肥満細胞という免疫細胞が化学物質を放出し、その結果炎症が起こります。この免疫反応が繰り返されるとリモデリングと呼ばれる気道の縮小が起こります。そして気管支喘息になります。
アレルギーと免疫についての詳しい記事はこちら
気管支喘息になりやすい人の特徴は?
それでは気管支喘息になりやすい人の特徴を解説します。
先にこの項目をまとめると、
・アレルギー持ちの人
・生活習慣が乱れている人
・たばこやお酒をよく嗜む人
が気管支喘息になりやすいです。
アレルギー持ちの人
先ほど解説しましたが、気管支喘息はアレルギーによる炎症が原因の一つです。
ですからアレルギー症状を持っている人はかかりやすいです。
また、その中でも気管に影響を及ぼす主なアレルゲンは以下です。
・ダニ
・ほこり
・カビ
これらのアレルギーを持っている人は特に注意が必要です。
生活習慣が乱れている人
また、生活習慣の乱れによるストレスも気管支喘息の原因です。
特に、
・寝不足
・運動不足
・人間関係
によるストレスが大きく影響します。また、慢性的なお酒やたばこも気管の炎症を起こしやすいです。
普段からこういったストレスを抱えていたり、過度な飲酒喫煙をしている人は気管支喘息になりやすいとされています。
気管支喘息の治療法は?
それでは気管支喘息の治療法について解説します。
この項目では、
・気管支喘息は自然に治るの?
・アトピー性気管支喘息の場合の治療法
・非アトピー性気管支喘息の場合の治療法
を解説します。
気管支喘息は自然に治るの?
子どものころに喘息持ちだったけど気づいたら治ってたという話を聞いたことがありませんか?
これを聞くと気管支喘息は何もしなくても勝手に治るんだと思うかもしれません。
ですが実は、気管支喘息は気管の形が変わるため非常に治りにくい病気なのです。
なぜこういう話が出回ったかというと、子どもは成長に伴って気管が大きくなったり丈夫になったりするため、喘息になってても治る可能性があるからです。
しかし大人は気管の形が成長することはないため一度喘息になると自然に治るということは難しいです。
ですからもともとの慢性的な炎症を緩和し、徐々に気管を広げることが治療法になります。
アトピー性気管支喘息の場合の治療法
それではアトピー性気管支喘息の治療法を解説します。
アレルギーが原因なので
・減感作療法
・ステロイド薬
・アレルゲンを遠ざけること
が有効です
減感作療法
減感作療法(アレルゲン免疫療法)はアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少しずつ摂取することで体をアレルゲンに慣らしていき、免疫機能が過剰が反応しないようにしていく治療法です。
アレルギーの薬は一時的に症状を抑えるだけの対症薬がほとんどですが減感作療法(アレルゲン免疫療法)はアレルギーを根本的に治す治療法であり、長期的な効果が期待できます。
吸入ステロイド薬を服用する
吸入ステロイド薬は抗炎症作用があり、喘息の治療法として最も使われている方法です。
ですが、ステロイドには副作用が起こる可能性もありますので医者と相談して服用しましょう。
ステロイドの詳しい記事はこちら
アレルゲンを遠ざける
アレルギー全般に対して最も有効なのがアレルゲンを遠ざけるという方法です。
喘息の場合、主にダニなどが原因ですので、ダニ防止の布団やカーペットを用いることで症状を大幅に抑えることができます。
非アトピー性気管支喘息の場合の治療法
ストレスや生活習慣の乱れが原因の非アトピー性気管支喘息の場合は、それらを改善することで治ることがあります。
具体的には、
・運動などをしてストレスを発散する
・禁酒禁煙
などが有効です。
運動などをしてストレスを発散する
会社や人間関係のストレスによって気管の炎症が慢性化してしまっているので喘息が発症します。そこで
で炎症を起こさなくすれば気管支喘息は和らぎます。
また定期的な運動は気管支喘息だけではなく
ですのでオススメです。
禁酒・禁煙をする
お酒やたばこも気管の炎症の原因になるのでできるだけ控えましょう。
また禁酒禁煙も癌予防などの効果があるのでこれを機に頑張ってみましょう。
まとめ
このサイトの内容を簡単にまとめると
・気管支喘息は慢性的な気管の炎症が原因。
・子どもの場合はアレルギーが、大人の場合は原因は生活習慣が気管支喘息の原因に関係している。
・気管支喘息を治すにはステロイド薬や生活習慣の改善が効果的。
となります。
気管支喘息は悪化すると呼吸困難や睡眠障害等の恐ろしい症状を引き起こしますので、できるだけ早く治しましょう。