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【皮膚の病気に強いけど…】ステロイドの作用・副作用、正しい使い方を解説します。

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医者 説明

ステロイドという言葉を何となく聞いたことがある方は多いと思います。ステロイドとはアトピー性皮膚炎などの皮膚の炎症を伴う病気によく用いられる薬です。皮膚の病気に対して非常に有効な特効薬なのですが、良薬は口に苦しというようにステロイドには多くの副作用があります。そこでここでは、

  1. ステロイドとは何か
  2. ステロイドの作用、副作用
  3. ステロイドの使用法

について解説します。

ステロイドとは?

ステロイド 薬 塗る

それではステロイドとは何かということについて解説します。
この項目では、

・ステロイドはホルモンの一種
・ステロイドの種類

を解説します。

ステロイドは副腎のホルモン

ステロイド薬はステロイドホルモンという副腎皮質(ふくじんひしつ)のホルモンからできた薬です。
副腎とは腎臓の上についている小さな器官で、体内環境を正常に保つ働きがあります。そこから分泌されるステロイドホルモンも同様に体内環境を整える働きがあるというわけです。

ステロイドの種類

ステロイドはその強さによって種類が分けられています。これは病気の種類や塗る場所によって分けるためです。少し難しくなりますが、強さと一般名と患部をまとめたものを表にしましたので参考にしてください。
 

一般名 患部
1(Strongest) プロピオン酸クロベタゾール
酢酸ジフロラゾン
2(Very Strong) "フランカルボン酸モメタゾン
酢酸プロピオン酸ベタメタゾン
フルオシノニドなど"
腹部や背中など皮膚が厚い部位
3(Strong) "プロピオン酸デブロドン
プロピオン酸デキサメタゾン
ハルシノニドなど"
4(Mild) "酢酸クロベタゾン
トリアムシノロオンアセトニド
酢酸ヒドロコルチゾン"
"顔や首などの皮膚が薄い部位
乳幼児が使用する際もこの群"
5(Weak) "プレドニゾロン
デキサメタゾン
フルドロキシコルチド"
目など弱い部分

ステロイドの作用・副作用は?

副作用 感染症 

それではステロイドの作用・副作用について解説します。
この項目では、

・ステロイドの作用
・ステロイドの副作用

について解説します。

ステロイドの作用は?

ステロイド薬の作用は、

・炎症を抑える
・免疫細胞の働きを抑制する。
・体内環境を整える

です。これらの作用から免疫異常に対して有効であると考えられ、アレルギー性の病気に用いられます。

ステロイドの副作用は?

ステロイドの副作用はかなり多いです。ここでは中でも重大な副作用に絞って解説します。

・感染症にかかりやすくなる。
ステロイドは免疫細胞の働きを抑制するので、細菌に対する免疫力も著しく低下します。そのため感染症になりやすくなります。

・骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
長期間ステロイド薬を服用すると骨が弱くなります。この病気を骨粗鬆症といいます。

・副腎不全
長期間ステロイド薬を服用すると、副腎はステロイドホルモンを分泌しなくていいと判断します。すると徐々に副腎からのステロイドホルモンの分泌量が減り、その状態でステロイド薬の服用を急にやめると体内環境が荒れ、様々な症状が発生します。病気が治ったからといって急にステロイド薬の服用をやめるのはタブーです。

これらの副作用のほかにも数多くの副作用があります。ステロイド薬を服用する際は医師と相談して量や種類を決めましょう。

ステロイドの正しい使い方は?

塗り薬 使い方

それではステロイドの正しい使い方を解説します。
ステロイドの使い方は、

・医師と相談する。
・患部や病気によって使い分ける。
・病気が治ったからと言って急に服用を止めない。
・保湿剤と併用する。

です。

医師と相談する。

これはどの薬にも言えることですが、医師や薬剤師と相談してステロイド薬を処方してもらいましょう。特にステロイドは症状の重さや患部で種類が変わってきますので、自分で勝手に判断したり、他人の処方された薬を使用するということはNGです。

患部や病気によって使い分ける。

先ほども説明しましたが、ステロイドはその強さで種類分けされていて、症状や患部で服用する種類が変わります。そのため、皮膚の薄い顔や脇などに塗る場合は弱いステロイド薬、逆に皮膚の厚い背中などに塗る場合は強いステロイドという風に使い分けましょう。

病気が治ったからと言って急に服用を止めない。

長期間ステロイド薬を服用すると、副腎はステロイドホルモンを分泌しなくていいと判断します。すると徐々に副腎からのステロイドホルモンの分泌量が減り、その状態でステロイド薬の服用を急にやめると体内環境が荒れ、様々な症状が発生します。病気が治ったからといって急にステロイド薬の服用をやめるのはタブーです。

保湿剤と併用する。

肌は乾燥すると炎症を起こしやすくなります。いくらステロイドで炎症を抑制できるといってもあくまで一時しのぎでしかありません。そこで保湿剤を併用することで皮膚のバリア機能を上げるとより効果的になります。

併用方法は医者によってさまざまですが、基本的には先に保湿剤を患部とその周辺全体にまんべんなく塗り、その後ステロイド薬を患部にピンポイントに塗ります。もし、炎症がひどい場合はステロイド薬も保湿剤と同様に患部周辺にも塗りましょう。

まとめ

医者 まとめ 発見

このページをまとめると

・ステロイドは副腎皮質から得られるホルモンを使った薬。
・ステロイドの作用は抗炎症。
・ステロイドの副作用は感染症や骨粗鬆症などさまざま。
・ステロイドは医師と相談して適切な種類の薬を使う。また、保湿剤を併用すると効果的。

です。

ステロイドは副作用が多く危険な薬と思われがちですが、皮膚の薬でこれほど有用なものは他にありません。適切な使用法をしていれば副作用もかなり抑えられますので、是非このページを参考にしてみてください。

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