風邪や腹痛、車酔いなどの時に薬を飲みます。薬は本来からだの異常を治す良いものです。しかし実は薬によって引き起こされるアレルギーがあります。そこでここでは薬物アレルギーの、
についてわかりやすく解説します。
また後で詳しく解説しますが、アレルギー患者のアレルゲンで薬物は食物の次に多く、なんらかの薬物をアレルゲンに持つ人は非常に多いのでテストをして自分が何のアレルギーを知っておくことが大切です。ほかのアレルギーに関する記事はこちら
薬物アレルギーの症状とは?
それでは薬物アレルギーの症状を解説します。
薬物アレルギーに見られる主な症状は、
・蕁麻疹(じんましん)や発熱
・アナフィラキシーショック
です。中でもアナフィラキシーショックは非常に危険な症状なので、薬を使う際は気を付けましょう。
蕁麻疹や発熱など
アレルギーの基本的な症状の蕁麻疹や発熱、嘔吐は薬物アレルギーでも起こります。
またこの項目で詳しく解説しますが、薬物アレルギーの症状は遅延型反応である場合が多いのでこれらの症状の原因が薬物だと気づきにくいのも厄介です。
アナフィラキシーショックを伴う場合もある
アナフィラキシーショックとは、免疫細胞がアレルゲンに対して過剰に反応し、神経系などに強い症状が現れる状態のことです。呼吸困難や意識障害が起こる場合が多く、大変危険な状態です。
例を挙げれば、ペニシリンと呼ばれる抗生物質は非常に多くの病気を治す薬でしたが、同時にアナフィラキシーショックを起こす可能性のある薬です。今現在は調合の精度が上がりアレルギー反応を起こしにくくなりましたが、可能性はゼロではありませんので注意しましょう。
遅延型反応が多い
アレルギー反応には大きく分けて、
・即時型反応
・遅延型反応
の二種類があります。
即時反応はアレルゲンを摂ってすぐ、遅延反応は数日後から数週間後にアレルギー反応が起こることです。
これらのせいで、突然アレルギー反応が起こった場合になにが原因だったかがわかりにくくなります。
薬物アレルギーはこれらのうちの遅延型反応を示す場合が多いです。
薬は日常的に使うものではありませんので、自分が薬物アレルギーだということを知らない人が多いです。
冒頭でも解説しましたが、薬物アレルギーは食物アレルギーに次いで患者数が多いです。
後ほど解説する検査をして自分が何の薬物アレルギーかを知っておくことが大切です。
薬物アレルギーの検査方法とは?
アレルギーの検査方法を解説します。
自分のアレルギーが何かを把握することは診療時にとても役に立つのでぜひ一度テストを行っておきましょう。
薬物アレルギーの検査方法でよく使われるのは、
・パッチテスト
・プリックテスト
です。それでは順に解説します。
最も有効なのはパッチテスト
パッチテストはパッチテープと呼ばれるテープにアレルギー反応を示しやすい試薬を薄めたものを2,3滴吸い込ませ、それを48時間程度肌に貼るという検査方法です。もしその試薬に対してアレルギー反応を示す場合、肌が炎症を起こします。
パッチテストは主に遅延型のアレルゲンを特定するのに使われますが、ありとあらゆるアレルギーをこれで判別できるので非常に有効です。
プリックテストも有効
プリックテストは、肌にとても小さい切り傷をつけてその隙間から試薬を投与し、15分ほど経ってからアレルギー反応を示すかどうかを確認するという検査方法です。パッチテストと同様に肌に炎症が現れます。
パッチテストと違って短時間で手軽に検査することができますが、薬物アレルギーの多くは遅延型反応を示すのでごくまれに検査結果が正しくない場合もあります。
また、アレルギー体質は変わる場合がありますので、これらの検査結果でアレルギー反応を示さなかったからといって数年後もアレルギーじゃないとは言えませんので定期的に検査をすることが大切です。
薬物アレルギーの対策方法は?
それでは薬物アレルギーの対策方法を解説します。
薬物アレルギーの対策方法を簡単にまとめると
・医師に相談する
・定期的に検査をする
・市販の薬剤に含まれる化学物質を確認する
です。
医師に相談する
パッチテストやプリックテストなどの検査の結果を医師に伝えた場合、今後どういう薬を使用すべきかなどを教えてくれます。
また、アレルゲンによっては完治することも可能ですので、薬物アレルギーかなと思った場合は、
・どんな薬を使用したか
・いままでアレルギー反応を示したことはあったか
ということをざっくりでもいいので医師に伝えましょう。
定期的に検査する
先ほども述べましたが、アレルギー体質は時間が経てば変わることがあります。より詳しくいうと今までアレルギー反応を示さなかったものでも唐突にアレルギー反応を示す場合があります。これは一つでもアレルギーを持っている人に特に起こりやすい症状です。
また残念なことに、逆に日が経って体質が変わりアレルギーがなくなったということは通常起こりません。
これらのことを踏まえて定期的に検査し、何のアレルギーを持っているか、自分の体質がどうなのかということを知っておくことは非常に大切です。
市販の薬剤に含まれる化学物質を確認する
医師が処方する薬剤は基本的にアレルギー反応を考慮したものですが、市販の薬剤は全く考慮されていません。したがって、市販の薬剤を利用する場合は注意深く化学物質を確認する必要があります。
また、種類が違う場合でも構造が似ていればアレルギー反応を起こす場合もあるので、医師と相談しましょう。
まとめ
この記事の内容を簡単にまとめると
・アナフィラキシーショックを起こす場合もある
・パッチテストで検査するのが有効
・医師と相談して対策を練る
です。
病気を治すために使う薬で病気になるという皮肉な話ですが、アナフィラキシーショックという命にかかわる症状もありますので、ぜひ気を付けましょう。